「イエスに招かれて」           西澤 正文(静岡県)

 □イエスの招きについて

 ・一般の人の招き

 イエスは、「だれでも来なさい」と招いてくださる。常に門を開けたままの状態でいてくださる。イエスは、どんな時でも、身近におられる方です。「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい休ませてあげよう。」(マタイ11:28)

 ・十二弟子の招き

 イエスは、伝道を開始して間もなく、十二人を弟子に選びました。弟子達を常に身近に置き、教え、奇跡を見聞きさせ、将来、伝道者になることを期待された。

・孤独な生活を送る徴税人・ザアカイの招き

 イエス自らが、徴税人ザアカイに「降りて来なさい」と招くのは、大変、珍しい事です。この呼びかけからも、イエスは、孤独な人を特愛される方であることが理解できます。

 ・参加者皆さんの招き

 今日、会場に足を運ばれた皆さんも、他の用事、したい事があっても、義理であっても、クリスマス講演会参加を選ばれたこと、それはイエスの招きと考えます。

 ▢イエスの教え…新しい戒二つ 

 1.神を愛しなさい、と言う二つの理由

 ①神は天地万物を創られた。万物の最後に人を造られた。造られた後の神の感想「それは極めて良かった。」(創世記1:31)の言葉が、被造物中、人を特に愛されたかを知る。 

②神がまず私たちを愛された。「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」(ヨハネⅠ4:19) 私たちが神を愛するのは、その前に神が私たちを愛された。だから、私の愛に応えなさい、と神は言われる。

 2.隣人を自分のように愛しなさい

  人は、本能的に自分自身を大事にするが、これは自然であり、当然のことです。その自分と同じように隣人(全ての人)を大事にしなさい、という事ですが、現実は、非常に難しいことです。

 □アメリカ発「喜ばしいおしらせ(福音)」

  先月25日、NHKラジオのニュースを聞きました。隣人を愛された正に福音とも言うべき喜ばしい知らせが流れて来ました。アメリカのホームレス青年の話です。 

女性ドライバーがガス欠となったが、手持ち金が無く困っていると、そこにホームレスの青年が現れた。青年は「ここで待っていて」と、その場を去った。青年は手持金20ドル全てを使ってガソリンを買い、ドライバーに渡した。女性ドライバーは、無時に帰宅。帰宅後直ぐ、女性はネット上に失業中のホームレス青年に救われたことを伝え、ホームレス青年の支援を呼びかけた。全米から2週間であっという間に12千人から4,000万円集まった。青年は、家を購入し腰を据えて就職活動に励んでいる。そして今も応援の献金が集まっている。 

 ホームレス青年の、明日のパンさえも手放し目の前の隣人に全てを捧げた深い愛。女性の、直ちに全米に支援を呼びかけた愛の応答。国民の、良き知らせに共感された愛の実行。多くの人の隣人愛の手が繋がって、大きな輪となった。これこそ「自分を愛するように隣人を愛しなさい」の証しである。アメリカは世界で最もクリスチャンの多い国で、総人口の70.6%、2億1,921万人が信者である。ホームレス青年が、クリスチャンかどうかわからないが、支援に応えた1万2千人の多くがキリスト教信者であることは容易に想像できる。  

□終わりに

 イエスが世に誕生し、十字架に架けられて二千年。神、イエスのみ言葉が現在まで、脈々と引き継がれ、今も聖書が世界のベストセラ―です。イエスの生涯を思うと、クリスマスを季節の行事と割り切り、楽しむだけで終わる我国の過ごし方は、淋しく思う。一年に一度、せめて、年の瀬近くのクリスマスの時は、イエスが世に降誕したこと、人々の罪を身代わりとなり十字架上で息を引き取られたことを思い返す時としたい。イエスが一生涯をかけて話された二つの新しい戒めを忘れずに生きて行きたいと思う。