ルカ21:20-38                 2019.2.24
テーマ:天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない(33)
 イエスは「軍隊に囲まれるのを見たら」(20)、エルサレムの滅亡の近いことを悟りなさい、と言われた。これは、先のエルサレム入城の際、「やがて時が来て、敵が周りに堡塁(=とりで)を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ」(19:43)と口にされ、既にエルサレム滅亡を予言されたのであった。
 そもそも、イスラエルは神の選びの民である。霊と真実をもって礼拝する民でありながら、その道から離れ、キリストと弟子たちを迫害した。それに対する神の刑罰として、イスラエルの滅亡、神殿の破壊は、当然のことであった。 
当時、ユダヤ人の地位は失われ、その後、神の御計画の中心は、異邦人に移られた。それにより、救われるべき異邦人の数が満ちるまでキリストの福音が全世界に宣べ伝えられた。(ロマ11:25-26)この状態は、イエスの天に帰られて二千年が経過する現在もなお続いている。
 諸々の天地の大変動が起きたら、多くの人々は、恐ろしい絶望の中に陥り不安な日々を過ごすことになる。しかし、イエスを信ずる者は、その人達とは真逆であり、「身を起こして頭を上げなさい」(28)と言われるように、ひたすら天を仰ぎ、罪の赦されることを待ち望んでいる。
 このように、世界の混沌が深まるに従い、キリスト者は益々希望に燃える。それは、キリストを受け入れない人にとっては恐怖と滅亡の日が近くなったことであり、キリストを信じたために迫害に遭った弟子達にとっては解放の日が近くなったという事である。 
現在も天変地異の出来事、現象は暇なくこの地球に現れている。世界的には、地球温暖化
による自然災害の増加、世界の貧富拡大(富裕層26人が世界資産の半分独占)、世界各地のテロによる暴動の多発、一国中心・排他主義、自国愛優先=保護主義、ポピュリズム(大衆の要求を代弁しているという政治運動)思想の蔓延 メディア(スマートホン等)発達によるコミュニケーション不足等など。
 国内的には、南海トラフ地震発生間近の怖れ、スーパー台風、竜巻、酷暑等の発生による甚大な被害、児童虐待年々増加の一途(親の仕事等によるストレス増、忍耐力無さ)生活困窮者特に高齢(生保受給過去最高記録中)の増大、国の負債増額増加の一途、人口の東京一極集中それに伴う限界集落増大、地方議員欠員、医師不足、交通手段の確保難、若者の故郷離れ、地方の廃村増加、田畑放棄面積拡大等など。
年々、この世の天変地異により自然災害被害の増加し、それに伴い精神的苦しみ、不安は増大し、現在も、天地の滅びが進んでいることを認めざるを得ない。イエスは、この世の終りの前は、諸々の現象が間違いなく起るとはっきり弟子たちに話された。そして、たとえ天地が滅びても、イエスの言葉は滅びないことを確信し、これを弟子たちに約束された。「天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない」(33)と。 
 イエスは、エルサレムの滅亡が近いことを察知し、これからいろいろな災難が襲うことを知っていながらも常に冷静である。それよりもイエスご自身、十字架に上る日が目前に迫っていても、日中は神殿に出掛け、人々に教え、夜になればオリーブ山で過ごす。いつもと変わらず規則正しい生活を送る。常に神に祈り、御自身に示された神の御言葉に従っておられるからである。このイエスの姿は、我々への励ましとなり、また、我々の目指すべき姿ではないだろうか。
▢まとめとして 
 キリスト者は、現在の、目の前の苦しみ、悲しみ、喜び、楽しみにとらわれ一喜一憂するのではなく、いつの日か必ずやって来る再臨の日を確信し、再臨に希望をつなぎ、どっしりとした信仰生活を送ることが、キリスト者の真の態度ではないだろうか。信仰を持ってすでに天に帰られた兄弟姉妹と、再臨を経て再び会いまみえる日が到来することを信じることが、今を生きるキリスト者の目標であると信じます。