9章23-43       2019.10.27

                          西澤正文 

テーマ:サウロを連れて使徒たちのところへ案内したバルナバ(24) 

23-31サウロ、難を逃れ出身地のタルソスへ 

ダマスコで回心したサウロは、直ぐに、当地の弟子達と共にあちこちの会堂で、力強く福音を宣べ伝えた。というのも、以前、イエス・キリストを信じる人たちを迫害する集団の先頭に立っていたサウロを知る者は、身の変わり様の速さに(22)「うろたえさせられ」、本当に迫害者サウロであるのか、半信半疑でした。 

23-25 日が経つにつれ、その不信感が膨らみ、ユダヤ人は、サウロを殺そうと行動を起こしますが、この計画は、サウロに知れてしまいました。それにも拘らず、一度計画した陰謀は、取り下げるどころか、必ず成し遂げようと昼夜を問わずサウロの姿を追い続けました。その状況を知ったサウロの弟子達は、サウロをダマスコの街から脱走させました。私達は、名もなきサウロの弟子達が陰でサウロを支えたことを忘れてはなりません。 

 イエスを信じる人たちを迫害する先頭に立ったサウロが、180度方向転換すれば、周囲の見方も同様に180度・真逆に方向転換する。昨日の仲間は今日から敵、命を奪う者となります。信仰の旗を高く掲げた人、信仰の色をはっきりさせた人は、良くも悪くも目立ちます。ヒーローになるか、命が狙われる標的の的になるか、裏表紙一重です。 

26-31 サウロはダマスコに難を逃れ、エルサレムへ行かれた。イエスを信じる弟子たちの仲間に加わろうとしたが、ここでも「迫害者サウロ」のイメージが強く残り、疑いの目で迎えられた。そんな中にバルナバが登場し、サウロと他の弟子たちの仲介役、橋渡しをされた。バルナバはサウロを弟子たちのところに連れて行き、紹介された。サウロという人物は、ダマスコに向かう途中、イエスから

 

 

 「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」と声をかけられ、回心した体験を説明された。更に、過去の古い自分から決別し180度真逆の向きに方向転換し、我々と同じ様にイエスを信じる者に完全に変身されたことを説明し、受け入れられた。  

その後、サウロの命が狙われていることを知った仲間は、サウロをかくまいカイサリアに出て、サウロの出身地であるタルソスへ送り出しました。ここにも、名もなきサウロの仲間達が陰でサウロを支えたことを忘れてはなりません。 

ここで、今までの内容を整理してみます。今までサウロを取り巻く3人…ステファノ、アナニア、バルナバが登場し、それぞれの人がそれぞれの立場からサウロに影響を与え、また、サポートされた。ステファノは、迫害され石打の刑に遭い、息を引き取る前、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と叫ばれた声は近くに居たサウロに届き、これが、サウロの回心のきっかけとなったと私は確信します。アナニアは、激しい光を受け目が見えなくなったサウロを訪ねよと主の命令を受け、サウロに聖霊を注ぎ回心を完成された。バルナバは、サウロをエルサレムのイエスの使徒たちに紹介し、仲間入り出来ました。この3人以外にも、名もない者たち(25,30節)がサウロをサポートされました。

 

■むすびとして

 サウロは多くの人たちの支援により、使徒職のスタートラインに立つことが出来ました。華々しい伝道活動の背後には、多くの支援者の存在、働きを忘れてはなりません。私達も、与えられている信仰は、これまでに多くの兄弟姉妹の支援・サポートを受けながら、今に至っていることを決して忘れないようにしたいものです。