ヘブライ人への手紙1章                    2016.3.27
▢イエスは天使にまさる
 「御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。」(4節) ヘブライ人への手紙の冒頭で旧約時代、頻繁に聖書に登場する天使と、新約時代、神の独り子としてこの地上に肉体を持って誕生したイエスを比較し、イエスの方が優れている、と簡潔な説明がある。天使は、神から派遣される使者で、人間の目に見えないが、特定の人間に現れて、神の意志を伝え、あるいは人間を守り導く。 
 天使とイエスの違いは、何であろうか? 天使は、神の使い、使者、代弁者である。一方、イエスはといえば、神の独り子、救い主・メシアである。旧約時代、まだイエスが誕生しないユダヤ教の時代、預言者、御使いを通して、神の言葉が語られた。一方、新約時代、イエスが誕生したキリスト教の時代に入り、代弁者を通さず、イエスが直接人々に語られた。
 イエス誕生後約2千年が経過して、私たちは聖書の中でイエスの御言葉を聴くことができる。「この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。」(2節)と言われている。天使は、あくまでも神の使い走り、神の「手元」である。
現代の社会では、職人の世界でよく「手元」という言葉を聞く。腕達者な職人の世界には、経験豊富で知恵のある手元がいて、親方の仕事を支える。親方が必要とする物を必要な時に、必要な場所まで届ける人である。そのため、現場では親方に準ずる工程の知識を持ち、手先の技や優れた勘をそなえた手元が、親方の手足となる重要な人である。しかしあくまでも親方の近くにいて、親方の指示を待ち、支える人である。神に仕える天使は、親方に仕える手元に似ている。
 天使と比較すれば、イエスの登場が如何に大きな役割を持ち、また人類に大きな希望を与えられたかが解る。「あなたはわたしの子、わたしは今日、あなたを産んだ」(5節)とあるが、今だかつて神は、天使に向かって「わたしの子、あなたを産んだ」と言ったことはなく、また「彼(天使)の父となり、彼(天使)はわたし(神)の子」と言ったこともない。更に「神の天使たちは、皆、彼(イエス)を礼拝せよ」(6節)と天使に命令し、天使と御子イエスの違いが鮮明に描かれている。
私たちにとって、イエスは単なる人生の教師ではない。イエスは、救い主であり、神の
子であり、神御自身である。イエスが神御自身であると信じることは、私たちが神により頼むことであり、そこに私たちの生きる世界がある。イエスがこの世に誕生した意味は何か、神の御計画の深さ、大きさを改めて理解しなければならない。

▢まとめとして
1.御子・イエスキリストは、万物の創造者(光(=イエス・キリスト)あれ、により天地創造が為された)、神の栄光の顕現、本質そのも

 の、そして我々が犯した罪の身代わり・請負人である。この御子イエスによって私たちは日々生かされている。私たちは、イエスは救い主

 であり、神であると告白しつつ生活したい。
2.このことを頭で理解するのではなく、神、キリストが生きる世界に足を踏み入れ、共に生活することを目指したい。