18章1-28       2020.1.26
                                                                                                        西澤正文
テーマ:恐れるな、語り続けよ、黙っているな、私はあなたと共にいる(9-10a)
 パウロの第2次伝道旅行もいよいよ終盤を迎え、コリントに入りました。この街は、南北東西に通じる交通の要所のため、商業が発達し、ローマ、アレキサンドリア、エフェソに次ぐ重要な都市と言われました。経済的繁栄と宗教的売春行為により、街は道徳的に退廃し、不品行を行う人に対し「コリント人のように振舞う」という言葉が使われました。
 パウロは、第2次伝道旅行の時コリントを訪れ1年半滞在し、熱心に伝道しました。この街にアキラとプリスキラが居て、二人の協力を得て、会堂長・クリスポとその家族をはじめ、多くのコリント人が信仰に入り、コリントの教会が形成されました。
  マケドニア州のペレアに残っていたシラスとテモテが、コリントにやって来たため、パ
ウロは伝道に専念でき、ユダヤ人に対し「イエスはメシアである」と力強く証ししました。しかしパウロは、その人たちから反抗され暴言を浴びせられたため、着物のチリを振り払い「自分には責任がない。今から私は異邦人の方に行く」と言い放ち、その場を去った。
  その後パウロは、神を敬うティティオ・ユトスという人の会堂家の隣にある家を訪れました。会堂長はクリスポと言い、一家を上げて

主を信じ、また、多くのコリント人も信じ洗礼を受けました。
 そんなある夜、幻の中で主はパウロに語られました。「迫害を恐

れてはならない。今と同じ様にこれからも伝道を続けなさい。私は

 

 

何時もパウロと共にいて身を守る。」 主の語られた言葉に勇気付けられパウロは、コリントの町で1年半滞在し、人々に主の言葉を教え続けました。
 伝道の話を聞いた人が、信仰を受け入れるか、拒否するか、それはその人の意志であり、もし、受け入れなければ、次の訪問地を訪ね、新しい人々に伝道すればよい。信仰を受け入れるか、受け入れないかは、神の仕事、神の領域にある。伝道を為し終えて、信仰を持つことを拒否すれば、さっぱりとその場を立ち去ることが伝道者の態度であり、使命である。パウロはこのように主の言葉を受け止めたのです。
 パウロは、信仰を拒否されて次の訪問先に向かう際、服の塵を振り払いました。それは、信仰を受け入れない人々の罪が自分に附着しない様にとの表現でした。「あなたたちの血」は「あなたたちの頭に降りかかれ」とは、神の審判があなたたちの上に下る事を宣言し、パウロ自身はその審判に関りがないことを表明したのです。パウロは、裁くのは神であり、神の仕事であるとし、パウロ自身の任務と神の任務の範囲を十分心得ていたのです。
■むすびとして
 迫害に遭っても「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。私はあなたと共にいる。」この幻の中で語られた主の言葉を信じ、勇ましく伝道の旅路を進むパウロの姿は、私たちの日常生活の姿も同じであり、苦難や不安に直面しても自分の内面を見つめ止まってしまわず、主を仰ぎすべてを委ね、前進できるよう歩んでいきましょう。