使徒言行録 2章      西澤 正文

                    2019..14

 テーマ:わたしの言葉に耳を傾けてください 

ペンテコステの日を迎え、一同は一つになっていた。ついにその時、聖霊が降った。聖霊が降る事は、神の御計画であり、だれも知らない。全ては神の御計画によるもので、人は介入できない。人間の力、努力、善い行いにより、聖霊が降るのではない。聖霊は、「突然」「天から」「音が響いた」この現象の中で実現した。これは神の為せる御業の何物でもない事を表している。 

 エルサレムは、異邦の地に住むユダヤ人が集まり住んでいた。このエルサレムの教会で、イエスなき後、使徒たちが宣教しなければならない使命が与えられた。 

 イエスの12弟子は、知識も学識・教養もなく来る日も来る日も、ガリラヤ湖で魚を取る漁師たちが多く、また徴税人たちであった。その弟子達が、聖霊に預かり、神について語りだした。エルサレムに住む人たちは、無学で教養にない弟子達を信用できなかった。 

イエスから「あなたがたは、証人になりなさい」と言われたものの、現実は、エルサレムで働く祭司、レビ人等に対し、恐れがあるのは隠せない。自分自身信じているかどうか、心の片隅にそんな不安も残っていたのであろう。余分な知識、教養もなく、小さな人である使徒たちは、単純にイエスの残された御言葉を信じ切ることが出来た。そして、聖霊が語らせるまま語ったのである。聖霊が注がれ、意気地なしの弟子が、イエスの証人として使徒に生れ変わりました。

 ペトロは、11人と共に立ち、使徒の代表として、「わたしの言葉に耳を傾けてください」(14b)と言って説教をはじめ、「はっきりと知らなくてはなりません」(36)、と切々と訴え終えた。途中、「終わりの日に、わたし(神)の霊を全ての人に注ぐ。あなたたちの息子、娘は予言し、若者は幻を見、老人は夢を見る。僕、はしためにもわたしの霊を注ぐ」(ヨエ17-18)を引用し、ヨエル書の言葉が成就したことを述べられた。 

説教の総括として、イスラエルの全ての人々は、知らなくてはならない、あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は王とし、救い主となさったのです。今までイエスに背信行為を繰り返されたペトロは、はっきりと言い切りました。これは、ペトロの完全に変身したことの証しでもあります。説教を聞いた人々は、感動し「それならこれから私たちはどうしたらいいですか」と即座に質問された。それに応え、「悔い改め罪を赦していただきなさい、そうすれば、聖霊を受けることが出来ます」と話された。人々はペトロの言葉に従い、その日、三千人が仲間に加わりました。驚くべき数の人々です。

 ■まとめとして 

 イエスの弟子といえども、イエスが十字架につきこの世を去るまで12弟子は皆、裏切り続けた。しかし聖霊が注がれてから、今までの意気地のない自分から決別し、新しい使徒にとなられた。どこに出もいる身近な弟子達であったからこそ、私達は、使徒に見倣い、聖霊を頂くことができるよう、祈り続けていきましょう。