使徒言行録8章               (2019.10.6)  

                      小田弘平

 

 サウロ(ユダヤ名)はステファノの殺害に賛成し、エルサレムの教会を迫害していた。ところがサウロは復活したイエス・キリストに出会い、回心する。その後、サウロは名前をパウロと変え、アンティオキアの教会を拠点にして異邦人への伝道を開始する。ところがエルサレムから追放された、ステファノに導かれたキリスト信徒を受け入れたのはアンティオキアの教会だった。神のなさる業は不思議である。

 

ステファノはもともとギリシャ語を話す寡婦たちの世話係として使徒たちから任命された。フィリポも同様だった。彼らは寡婦たちの世話をしながら寡婦たちの生活の苦しさや辛酸を共にしたことであろう。苦しみを共にすることが

 

 

 

彼らの信仰だった。エルサレムから追放された後、フィリポが赴いたのはユダヤ人が蔑視する異邦人のサマリアだった。サマリアにもキリスト信徒が逃亡していたかもしれない。フィリポが語る福音を聞いて、サマリアの人々はイエス・キリストが主であると信じるようになった。

 

その後フィリポには新しい任務が主から与えられ、エチオピアの宦官にイエス・キリストの信仰を解き明かす。ユダヤ教会から排除されて、孤独な人生を送っていた異邦人宦官はフィリポから荒れ野で洗礼を受ける。フィリポはさらにカイサリアに住みエルサレムへ赴こうとしていたパウロを支える。こうしてみるとフィリポこそ、異邦人伝道の先駆者といえる。